このみ薬局
不妊症
不妊症。子供が欲しい。でも、なかなかできない。とても多いご相談です。
近頃は、目を覆いたくなるような事件が毎日のように新聞にのっています。その記事もだんだん小さくのるようになりました。あまりに頻繁におこるからなのでしょうか。小さな命をなんだと思っているのか、年齢は関係なく大人が成長しきれず子供を出産する人が多いのでしょうか。これは想像でしかないので、わかりません。
妊娠とは人間にとってはとてもドラマチックな出来事だと思います。嬉しくて素敵でワクワクするような。愛され慈しみ生まれてくる子供は幸せでしょう。ご相談に来られるご夫婦にはそんな方が非常に多いのも事実です。
妊娠。
これは、精子と卵子が出会い、着床し、育っていくことをいいます。
胎児はおかあさんの力をかりて10か月母体で成長します。その間は胎児もおかあさんも色々な経験をするのです。その後20時間近い出産に耐えていきます。そして子育てが始まるのです。
不妊治療とは、ただ着床せる。それだけではないような気がいたします。胎児を10か月間育てる力を養うこと。無事出産をむかえてく事。産み、育てていくこと。そんな力を持たなくてなりません。
人は自然の一部だとよく言われます。山や川、海中の魚まで生物はすべて地球の一部であります。人間の脳波のリズムははるか銀河系の彼方からやってくる波動のリズムと同じであるそうです。宇宙のパワーと同調しているのですね。赤ちゃんが生まれるのが、満ち潮の時が多いのもそれと同じことなのでしょう。
「春はあけぼの、夏は夜、秋は夕暮れ、冬はつとめて」枕草紙
日本はこの四季にひじょうに恵まれている国です。季節の変わり目に体が同調するのもこれまた一緒。
素問という古典の中にも
「四時(しいじ)陰陽は万物の根本なり。聖人は春夏に陽を養い、秋冬に陰を養う」
という一文があります。
春のエネルギーは芽生え発散させようとするものです。植物は発芽し、花を咲かせます。
人間の体も同じ。奥にしまっていたエネルギーが体中にいきわたります。
少し散歩に出かけ、春の息吹を思いっきり吸い込んでみてください。
まずはそこから。
不妊治療をされていると、そこを忘れてしまいがちです。体をめぐらせること。冷やさぬこと。運動をすること。
着床率を上げましょう。健康になりましょう。
自分の体や家族の体と向き合ういいきっかけだと思ってみませんか。
「妊娠しました!」このご報告は病の改善とはまた違った、なんとも言えない喜びです。
これから桜が咲く季節になります。
天地の間の陽気を沢山すって、散歩をしたり、早起きをしてゆっくり過ごしてみたり。こんな春の養生をしてみたらどうでしょうか。